最近、ミニチュアダックスフンドが増加し椎間板ヘルニアの症例が多くなってきています。
ダックスフンドの約25%は一生の間に椎間板に関連した障害を発症すると言われています。
他の多発犬種はビーグル、コッカスパニエル、ペキニーズ、キャバリアなどです。
症状は、急激に痛みに襲われ、後ろ足に麻痺が生じます。
椎間板ヘルニアの悪化度と臨床症状
| グレード | 症 状 |
| グレード 1 | 疼痛のみ、初発、歩行は正常 |
| グレード 2 | 疼痛(再発)、姿勢反応低下、運動失調、歩行可能 |
| グレード 3 | 姿勢反応消失、脊髄反射異常、歩行困難、不全麻痺、排尿可能 |
| グレード 4 | 歩行不可能、完全麻痺、排尿不可能、深部痛覚あり |
| グレード 5 | 孤高不可能、完全麻痺、排尿不可能、深部痛覚なし |
*深部痛覚なし、とは指を思い切りつねっても、「痛い!」という表情を示さないケースを言います。
椎間板ヘルニアの診断は脊髄造影が一般的です。しかし、繰り返しの麻酔やレントゲン撮影が必要でリスクも高く、脊髄神経を得意とする専門獣医師の診察が必要です。
しかし最近ではT型の椎間板ヘルニアはCT検査(3D-CT)により、確定診断できることから注目されています。要の脊髄神経を圧迫する物質の位置や量を把握することができることから、外科手術の治癒率向上に役立っています。また、同時に複数の椎間に発生した椎間板ヘルニアを、レントゲン脊髄造影では見逃すケースも、CT検査では1回の撮影で的確な診断がくだすことができます。
1.保存療養 軽い症状なら内科治療で症状の緩和がみられやがて治癒します。安静と看護 が重要です。最も悪いのが階段やベッドへの登り動作がです。グレード1が対象となります。
2.薬物療法 一般的にステロイドが投与されますが、類似症状を示す疾患(椎間板脊椎炎など)で禁忌のケースもありますので詳細な診断が必要です。グレード2、3が対象となります。
3.外科療法 内科治療に反応しない場合、外科手術が必要となります。グレード3、4、5が対象となります。椎間板ヘルニアにもタイプがあり、急性で椎間板物質が逸脱するT型と、脊髄に圧力がゆっくりと慢性的に加わるU型があります。発症から早ければ早いほど治癒率があがりますので専門医に相談してください。専門医はそれぞれの県の獣医師会で紹介してくれます。
T型の症状は激甚で膀胱の麻痺が来て死亡するケースもあ
ります。
しかし、速いうちの外科手術により70%以上が回復します。
*ミニダックの椎間板ヘルニアの約90%が悪質なハンセンT型です。
山田動物クリニックでは3D−CTを術前、術後に検査し、ヘルニア部位を確定し、また手術の術後判定を小動物外科専門医が行っています。超音波骨メスを使用して椎骨を削りますので、安全で確実、傷口が小さな手術を実現しています。このような最新の検査と技術で外科治療が行われた場合、ある大学病院ではグレード5の症例でも約80%が良好な経過が得られています。
4.理学療法
胸椎や腰椎を立体的に表示でき、悪い病巣を瞬時に判明し、治療に活かせるからです。MRI検査も有効ですが、検査の時間がかかり過ぎること、逸脱した椎間板物質の検出率が同等ということから、検査時間のかからない3D-CTが注目されています。
